「黒石野の住宅」 完成写真③

盛岡市黒石野で施工を進めてきたの住宅の新築工事現場「黒石野の住宅」が完成です！
この住宅は、東京の設計事務所「レミングハウス」さんの設計、弊社の施工というタッグで進めてきました。
レミングハウスと言えば建築家「中村　好文」さんの主宰する設計事務所。
いつも素敵な住宅を設計する著名な建築家との仕事はワクワクしながら仕事をしてきました。
完成写真を数回に分けてご紹介してきました。
今回が最終回です。

建物外観です。
北側の斜面から撮影しました。
建物全体が低く計画されていて切妻屋根が軒を大きく広げています。
昔ながらの切妻屋根のオーソドックスな形状がとっても素敵です。
外壁には無垢の杉板を無塗装で使用しています。

建物の一角には陶芸のアトリエがあります。
コンクリートの土間とラワンベニヤの内装です。
家具は弊社の大工たちの造作家具ですね。

陶芸の基本となる土を使う作業を想定した配置。
ろくろや焼成窯もこの後搬入されてきます。
仕事場という雰囲気がありますね。

吊り棚も特殊な形状です。
板に載せた陶器を乾燥させるための棚なので、風の通りが良い様に木の骨組みだけの棚ですね。
陶器を載せる台は杉板で製作しています。

水場、作業台、エアコン･･･いろんな設備も揃い使いやすいアトリエです。
限られた空間に作業の様子をギュッと詰め込んだ工房が出来上がりました。

玄関土間から続く階段もご紹介。
階段材には岩手を代表する広葉樹クリ材を使用しています。
古くから古民家の土台や柱に使われてきた栗の木。
今回は階段の踏板や手すり材として使用しました。

とってもいい雰囲気の階段です。
栗材のほんのり黄色みがかった色合いがいいですね。
他の広葉樹に比べて仕上げた状態では少し表面がざらつく感じの栗材。
この後使い込む事でだんだん飴色に変化し、手触りもどんどん良くなっていきます。

楕円形の手すりも栗材を使用。
弊社の大工たちが削って製作しました。
栗の天板、丸鋸、カンナ、ヤスリ、この限られた道具を使って仕上げた手摺。
とってもいい雰囲気に仕上がりました。

階段を上りきった手すり壁の上部には、このカマボコ形の笠木があります。
この笠木も岩手の栗材を使って大工が仕上げています。
天板をカンナで少しずつ削って仕上げた笠木もいい味を出していますね。

こちらの階段は、洗面所から登るロフトのような屋根裏部屋への階段。
踏板はラワンベニヤで出来ています。
少し角度も急な梯子っぽい階段ですね。
屋根裏部屋へ上がるワクワク感があるスペースです。

この階段にも栗材の手すり。
楕円形の手すりがきれいに設置されていますね。
この楕円形の手すりが壁にくっつく部分も同じ栗材で製作しています。
楕円形の溝が掘ってあり、楕円形の手すりがすぽっと納まる形状です。
細かな部分まで作り込まれたデザインです。

階段を上りきる所には、小窓が配置されています。
窓からはLDKにつながっています。
中村好文さんらしい遊び心のある小窓がいいですね～。

階段を登りきると再びカマボコ形の笠木。
細かなところまでしっかりとデザインされた空間が続きます。
そして使う素材は地元岩手の素材ばかりです。
いい素材といい大工がこの空間を作っています。

屋根裏部屋はこんな感じに仕上りました。
天井は屋根形状に合わせてギリギリに計画。
床も下地のラワンベニヤがそのままの仕上がりです。
シンプルながらとても居心地のいい空間です。

今回は陶芸のアトリエ部分と階段まわりを中心に完成写真を紹介してきました。
使う素材は、いつの時代でも揃う普遍の素材が多く、そんなシンプルな素材を使っていい空間がデザインされています。
そんな建築家「中村好文」さんの設計と職人たちの技術で出来上がった建物をご紹介していきました。
細部までデザインされた空間が素敵な住宅です。
そしてそんな空間を構成するのは地元岩手の木材たちでした。
いい設計、いい素材を使い、技術のしっかりした大工が施工を担当する家づくりが完成しました！
お施主様、中村先生、良い機会をありがとうございました。