岩井沢工務所の仕事について
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新築・リフォーム・エクステリアなど住宅に関するお仕事はなんでもやっております。 古民家再生・店舗設計施工もおまかせください。 自社で大工をかかえ、墨付・刻みから大工の手で行っております。 お客様からの信用と信頼を第一に誠実な仕事を行っております。 カテゴリ
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2021年 11月 19日
遠野にあるオーベルジュ「とおの屋 要」さんが手がけるどぶろく。
そのどぶろくを醸造する工場の建物を新築する工事が完成しました。 世界を見つつ、日々進化を続けるオーナーの作る、本物のどぶろくを醸造するための施設を新たに建築するプロジェクトですね。 建物完成後は、建物周りの大きな庇を設置する工事を進めてきました。 庇が完成すると、店主「要太郎」さんに呼ばれ、次の施工をお願いされました。 醸造所内に設置するのは、発酵を終えたお酒を搾る設備。 しかも現代にはほとんど残っていない古式の搾り方法・・・・。 「男柱」と「はね棒」と「しぼり槽」と言う聞いた事の無いモノを使っての設備となります。 ネット検索と古い資料を元に打ち合わせを進めながらの設備工事が進行中です。 そんな作業の様子を紹介していきます。 「とおの屋 要」の店主 要太郎さんにお越しいただき素材のチェックを行った前回。 「男柱」と「はね棒」に使う古材をチェックしてもらいました。 この素材を使っての搾り設備の製作作業が進み始めました。 藤澤大工が木材の加工作業を開始。 まずは唐松の梁材を切断して加工が始まりました。 何の加工が始まったのか? まだ私も分かりません・・・。 唐松の梁材に掘ってある溝。 梁材同士を重ねて組み合わせる加工を進めていますね。 加工が進む弊社の作業場、木を削ると唐松材のいい香りが漂います。 こうして地元産の本物の素材を使って搾り設備の施工が進んで行きます。 木の角を面取りする藤澤棟梁。 豆カンナという道具を使っての作業です。 現代の家づくりではほぼ見なくなった道具の一つですね。 木の角を取る便利なカンナです。 加工が終わった唐松材を組合わせるとこんな井桁状の台が完成です。 頑丈なこの台は、酒が満杯に入る「しぼり槽」が載る事になります。 槽を高い位置に置き、搾ったお酒が桶に入るための高さ調整用の台が出来上がりました。 台の上に野縁材で作った模型が載りました。 この模型は、搾り槽の大きさを計って作った原寸大の模型になります。 この段階で重量はかなりのモノ・・・。 ハンドリフトで持ち上げて移動する必要がありますね。 続いて設置した高さのある細長い模型。 これは、男柱の模型ですね。 槽を置く台・槽本体・男柱と模型を使った配置が完成。 これで設置のシミュレーションを行います。 出来上がった模型に「はね棒」を取り付けてみました。 弊社作業場の天井クレーンを使って棒を斜めに設置し、しぼりを行う状況を再現してみました。 これで棒を引き下げて酒を搾る作業ができる高さなのかを確認できますね。 他にも遠野の現地で棒を持ち上げる設備の必要性などをしっかりと確認できます。 模型が出来上がった段階で再び店主要太郎さんに駆けつけていただきました。 これまで資料とネットの画像でしか見た事の無い搾りの設備の全体像を確認していただきます。 実際にはね棒を下げてもらって、人力でどんな風に力を掛けるのかなどを検証頂きました。 ほぼ予定通りの無いように出来上がり、この後の施工の「GO」を出していただきました! 渡されていたこの資料を元にこのシミュレーションを準備。 実物の模型を使っての再現が何とか出来ました。 今回のシミュレーションで発見した課題もこの後施工を進めながら解決出来そうな雰囲気。 いよいよ酒を搾る古式の設備の加工作業が始まります! ここから始まるのはこの本物の男柱とはね棒。 まずはシミュレーションがうまく進み一安心です。 二つと無い素材を使っての施工なので、こうしてしっかりと準備しながら施工を進めて行きます。 ここからは大工の技術を生かした木の加工が進んで行きます。 男柱に使う古材の大黒柱の加工作業が始まりました。 まずは、はね棒が刺さる部分の柱の補修作業が始まりました。 元々土蔵の大黒柱だったこの木は、大梁が刺さる仕口があります。 その仕口を利用してはね棒を差す計画です。 新しい用途に使う為、一部をノミで削る作業が進みます。 古くねずみ色に変色していた大黒柱、削るとこうして元の木の色が出てきます。 木は100年以上経過しても全然持つ長寿命の素材です。 この大黒柱も長い年月土蔵を支え、その役目を終えてから今度は酒を搾る役目を担う事になります。 隣に先ほどシミュレーションに使った模型を置いての刻みの作業。 仕口の高さや形状をチェックしながら棟梁の刻みが進みます。 大黒柱の根元を切断しました。 男柱には長すぎる土蔵の大黒柱、根元の一部を切断して長さを整えて使用します。 もちろんこの切断した大黒柱の根元も使う事になります。 切断した根元から取り出した板材を手直ししている仕口部分に合わせて行きます。 今回のはね棒に差し込みに使う仕口は一方向なので、不要な大黒柱時代の仕口に蓋をしていきます。 蓋をする板材を切断した根元の部分から作る事で材に一体感が出てきます。 こうして古い土蔵の大黒柱が酒造りの「男柱」へと変って行きます。 なかなかこんな作業に立ち会う事は出来ませんね。 今回も貴重な経験をさせていただいています。 藤澤棟梁もやりがいがある仕事ですね。 どぶろく醸造所は、「とおの屋 要」さんの食の仕事をイメージして計画しました。 独特の建物構造を生かした醸造所の仕上げと木で構成する外観がいい雰囲気を作りだしました。 そして、次はその酒造りの工程を昔のやり方で行うための設備の設置工事を進めて行きます。 弊社の作業場には、いろんな素材が眠ってて驚きでした。 古い素材を使い、昔ながらの方法で酒を造ろうという店主「要太郎」さんの意気込みを再現するお手伝いを進めて行きます。 現代の酒造りではほとんど見る事の無くなった手作業での酒の搾りを行う為の設備を木で作る計画です。 オーナーの頭の中で描いていた次のプロジェクト、ここから弊社の大工と一緒に現実に仕上げて行く予定です。 続きをお楽しみに!
by iwaizawa
| 2021-11-19 05:10
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