盛岡市本町通 町家改修工事 進行中！

盛岡市中心部の本町通り、弊社もこの古い町で大工を営んでいます。
江戸時代からの古い町で間口狭く奥行の長い敷地が多く存在しています。
今回の改修工事もそんな古くからの街にある建物。
盛岡市内にもだいぶ減ってきた町家の改修工事となります。
現代の生活には合わなくなり、解体しての建替えも検討したのですが、お施主様の先祖から受け継いだ建物を残したいとの思いもあり、改修工事を行う事になりました。
昔の町家のいい部分は残し、現代に生活に合わない箇所は思い切って改修する計画を立てました。
そんな町家の改修工事が進んでいます。

改修工事が進む2階の寝室です。
天井を抜いてロフト空間を作り、階段の設置も完了です。
窓・壁・天井と断熱改修も行い、住みやすい現代の住宅へと変化して行きます。

新たに作ったロフト部分を下から見上げるとこんな仕上がり。
下の部屋とは、吹抜けでつながる構成となります。
赤松の梁材の上には杉で格子壁を作っています。

ロフト空間も天井や壁の下地が出来上がってきました。
ここは元の屋根裏空間、屋根を支えてきた太鼓梁をそのままに床や壁を作り直しました。
大人は使いにくいかもしれませんが、子供が大好きな秘密基地が出来そうです。

新たに間仕切りを作ったウォークインクローゼットでは、収納棚の設置が始まっています。
おおよそ3畳の空間に通路部分を最小限に棚がびっしり設置される計画です。
まずは、棚の下台部分が設置されて行きます。

収納棚の上部も出来上がって来ました。
お施主様と使い方を協議しながら棚の構成を考えました。
下部に収納・中間に引き出し・上部が自在棚という構成で棚が出来上がって行きます。

棚が完成です。
引出しと自在棚も設置が完了しました。
右側の棚は洋服を掛けるハンガーパイプが設置されました。
収納力重視のクローゼット部屋が出来上がりです。

大工の造作が終わると内装仕上げの工程です。
クロスを貼るための壁の下地処理が始まりました。
ボードのジョイントやビス頭をパテで平滑に仕上げる作業です。

クロス張りが始まると一気に壁が白く変化します。
部屋も一気に明るくなり、いよいよ完成形も見えてきます。
スッキリ整った部屋が出来上がって行きます。

ロフト空間でもクロス張りの作業が進みます。
壁が白く仕上がって来ましたね。
壁が白くなることで、小さな照明でも部屋全体が明るく使いやすくなります。
そして、古い太鼓梁が見事に見えてきましたね。
完成が楽しみです。

常居でも作業の準備がスタートです。
床の養生用のベニヤを敷き、足場設置の準備を開始です。
古くからの町家の常居は、天井が屋根まで続く構造が特徴です。
今回の改修では、漆喰壁の改修と電気配線工事を行う計画。
その為の足場掛けの作業が始まりました。

足場が上へと伸びて行きます。
しかし屋根まわりの梁が細かく掛かっている部分で足場も終了となります。
漆喰壁は、屋根まで続くのでこの後は、足場の増設が必要になりますね。
壁の改修にはかなりの手間が掛かりますね。

足場の上に上がり、吹抜け空間の上部の状況を確認です。
屋根を支える梁材の上はホコリだらけですね。
足場の掛け方を検討しつつ、壁の状況を確認です。
新しい改修工事の準備が進んで行きます。

盛岡市本町通りで進む町家の改修工事。
古い建物は、現状把握が非常に難しいので、おおよその計画を立て、実際に現地を解体し計測、その後打ち合わせして施工内容を確定して行きます。
古い町家のいいところはそのままに、現代の生活とはかけ離れた部分は思い切った改修工事を進めて行きます。
そんな現場での選択の多い改修工事には、経験豊富な大工の存在が欠かせませんね。
いろんな現場を経験してきた大工の勘と古い建物構造を改修する技術があっての仕事になります。
そんな町家の改修工事が進んで行きます。