陶芸家の展示会用什器製作のお手伝い（秋田 白岩焼 渡邊葵さま） 完成！

住宅関連の仕事や店舗工事とは違い、陶芸家の展示会で使用する什器製作の仕事。
今回は秋田県仙北市の白岩焼の渡邊葵様からのご依頼でした。
秋田市のアトリオンで先日開催された「アーツアーツ2021展」に出展の際に作品を飾るための台を製作します。

こちらが「アーツアーツ2021展」の会場。
弊社の作った什器も無事に入り、作品をしっかりと飾っていました。
秋田の会場には行けず、渡邊葵さまのFacebookで様子を確認。

陶芸作品を置く台を製作しました。
杉の板で台を作り、バーナーで焼いて仕上げています。

こちらの什器は、壁に作品を飾るための板ですね。
台と同様に杉板を焼いて仕上げています。
花器もとても素敵ですね。


弊社では、作品を引き立てるための台をどうやって作るのか、初めての試みでもありました。
製作の様子を数回に分けて紹介してきましたが、いよいよ最終回です。

下舘大工が製作を進めてきた木製の台が組み上がってきました。
杉板で組んだコの字型の台です。
沢山の台が組み上がり、いよいよ作業も終盤となります。

台を焼く作業を開始です。
ガスバーナーを使い台自体を燃やす作業。
燃やす過ぎないように調整するのがとても難しい作業です。
無垢の木がみるみる焦げていきます。

燃やす過ぎないように調整すると燃えない部分がアチコチに残ります。
その燃え残り部分をトーチバーナーで追加燃焼させます。
火力が弱いトーチバーナーはじっくりと燃やせるので細かな場所の焼きにちょうどいいですね。
大きな火力のガスバーナーとトーチバーナーを組合わせて台のじっくりと焦がしていきます。

台をいっぱい並べて一気に焼きを入れる作業。
焼き終えた台がたくさん並びました。
なかなか壮観です。

試作品製作時には、私も焼く作業を体験。
同じ場所を焼き過ぎるとすぐに火が付くので、難しい作業でした。
付いた火を消しながら試作したのが楽しい思い出です。

トーチバーナーでの追加焼きも体験。
コチラは、台の仕上がりを想定しながら細かな調整の意味合いが強いですね。
どの程度焦がして、その焦げを取り除き、最終形がどうなるのか、想像しながらの焼き入れ作業でした。
何事も経験し、チャレンジするのが良いですね。

藤澤大工が台の仕上げを担当しました。
焦げた台にたわしを掛けて、表面のススを取り除いていきます。
しっかりとススを落としたら最後にクリアのオイルを塗って行きます。
オイルを塗る事で焦げた部分の表面を保護し、手にススが付かないようになります。

スス払いとオイル塗装が完了した台が並びました。
これで台の製作作業は完了です。
白岩焼の渡邊様に引渡し、会場へと運ばれて行きました。
無事に台が出来上がり、ホッとしました！

弊社作業場で進む展示台の製作の様子を紹介してきました。
単純に板を組合わせて作っているようにも見えますが、実は複雑な仕上げを施して台を製作しました。
今回は、作家さんの作品をいかにきれいに見せるかという事が第一の目的。
その単純な目的の為、素材を吟味し、台の見せ方を吟味し、最終的には安全な強度を持つように作るという工程です。
できあがるとなかなか分からなくなる製作の様子をご紹介してきました。
渡邊様ありがとうございました。