盛岡市本町通 町家改修工事 完成しました！②

盛岡市中心部の本町通り、弊社もこの古い町で大工を営んでいます。
江戸時代からの古い町で間口狭く奥行の長い敷地が多く存在しています。
今回の改修工事もそんな古くからの街にある建物でした。
盛岡市内にもだいぶ減ってきた町家の改修工事となります。
現代の生活には合わなくなり、解体しての建替えも検討したのですが、お施主様の先祖から受け継いだ建物を残したいとの思いもあり、改修工事を行う事になりました。
昔の町家のいい部分は残し、現代に生活に合わない箇所は思い切って改修する計画を立てて施工を進めてきました。
そんな町家の改修工事が完成です！
それでは、完成写真を数回に分けてご紹介していきますね。

常居に入り見上げるとこんな景色。
盛岡の町家の常居には、こんな吹抜け空間があります。
今回の改修では、漆喰壁を再生し、照明計画を変更したのみ。
この雰囲気は大事にして、暮らしやすさを向上させる改修工事を計画しました。

古い町家の小屋組みは、木材の線は細いのですが、凛とした雰囲気を持つ骨格です。
古い地元の杉・ヒノキ・赤松などを使った構造です。
特に屋根面には、現在ほぼ使用される事の無い柾葺きが残っていますね。
今回の改修でもこの柾をどうやって残すのかがカギとなりました。
この小屋組みの雰囲気を大事に改修工事が進みました。

ケヤキの鏡戸が入る常居の収納もそのまま残っています。
収納内部だけは、断熱改修を行い棚を掛け直しています。
戸を閉めると改修した事はほとんど分かりませんね。
隣の和室との境の襖は、戸車を取り付けて滑りやすく改修しています。
見た目はほとんどそのままですね。

道路に面した店側の建具は全面的に改修しました。
格子の付いた板戸に交換して明かり取りに樹脂製の素材を採用しています。
寒さ対策もこの建具で施し、住みやすい家へと工夫をしています。
廊下側の障子は全面的に直しました。
戸車を取り付け、寸法を直し、コンセントやスイッチをj配置して住みやすい常居へと改修しています。

盛岡市本町通りで進めてきた町家の改修工事が完成しました。
古い町家のいいところはそのままに、現代の生活とはかけ離れた部分は思い切った改修工事を進めてきました。
古い町家の改修工事には、経験豊富な職人たちの存在が欠かせませんね。
そんな職人たちの技術を生かした改修工事が出来上がりました。
今回は、常居をご紹介しました。
盛岡の町家の良い雰囲気を残しつつ進めてきた改修工事の一番の肝の部分ですね。
この後も数回に分けて改修の様子を紹介したいと思います。
続きをお楽しみに！