南青山町 音楽室増築工事 建て方が進みます。

盛岡市南青山で進行中の新しいプロジェクトのご紹介です。
今回は、既存住宅の裏にある空いた敷地に音楽室を増築するというプロジェクトです。
普通の住宅とは違う性能を持つ建物の施工ですね。
音の響き方を考慮し、建物の形から制約があります。
音楽室の空間の広さ、空間の形状、防音・遮音性能といろんな要素をクリアしつつ計画を進めてきました。
その建物を作るのは、経験豊富な大工たちです。
そんな音楽室を作るプロジェクトが進行しています。

建て方作業が進む現場です。
柱が立ち、外周部の桁掛けの作業が進んでいます。
屋根勾配に合わせた斜めの外周の桁が掛かり、何となく建物の形状が見えてきました。
ガラッと空いている建物中央部にはこれから梁が掛かる事になります。

建物中央部の大きな空間に唐松の集成梁が掛かりました。
音楽室のホールとなる大きな空間を形成する為の梁となります。
屋根勾配に合わせて高さを変えて梁が掛かっているのが分かりますね。

梁同士をつなぎと呼ぶ桁材で固定していきます。
大きなスパンで呼ぶ大梁は、この後木材の乾燥で大きく動く事があります。
その動きを最小限に抑える役目も担う「つなぎ材」が入り、井桁状の建物構造が出来上がって行きます。

梁材を金物で補強していきます。
大きな地震や強風時でも木材の強度で耐え、さらに金物の粘りで建物が簡単に倒れないように補強を行います。
建物を長い年月持たせるための大事な工程ですね。

建物の構造が組み上がりました！
平屋の片流れの構造がほぼ見えています。
使っている木材はすべて地元岩手・盛岡の木材たちです。
建物の骨格は、すべて地域材で構成されています。

建物構造の上に屋根の下地となる垂木を敷く作業が進みます。
屋根勾配にあわせた斜めの建物構造なので、垂木はその構造体に直接載る事になります。
一般的な建物で言う母屋という屋根構造が無い作り方になります。

屋根の端の部分は、垂木は直交方向に掛かります。
建物構造を利用して垂木が跳ね出す屋根構造を採用しています。
これで屋根の厚みを押さえる事が出来ます。

垂木を水下側から見ました。
真っすぐに設置された垂木、気持ちが良いですね。
垂木も地元岩手県産の唐松材を使用しています。
粘りがあり強度の高い唐松材は、屋根下地として最適の木材と言えます。

垂木の上には、無垢の唐松の野地板を張っていきます。
ここから何十年も屋根を支える野地板は、無垢材が最適です。
そしてここでも岩手県ならではの唐松材が活躍しています。

ここでトラブルが･････｡
冬の天気は急変します。
野地板を敷いた頃雲行きが怪しくなり、雪が降ってきました。
すぐに野地板には雪が積もり始めこの状況です･･･｡

急いで足場にシートを張り、屋根の養生準備を進める大工たち。
天気予報より早く天気が悪くなることもありますね。
安全第一で作業を中断し、すぐに明日の準備に取り掛かります。

あっという間に屋根には雪が積もって行きます。
明日にはどこまで積もるのか････｡
今年の冬は大雪が多く、気温も寒い冬でした。
何だか懐かしいですね。

雪が積もった屋根を見上げるとこんな感じ。
雪が積もっているとは分かりませんね。
まずはここまで進み一安心です。

音楽室の増築工事が進行中です！
いよいよ現地での建て方作業が始まりました！
音楽室という特定の目的のある建物は、いろんな制約が出てきます。
その制約のある建物を地元の木を使い、大工がその経験と技術を生かして作っていきます。
今回もベテランの大工が棟梁として工事を進めて行きます。
着工から順に作業の様子をご紹介していきます。
続きをお楽しみに！