岩井沢工務所の仕事について
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新築・リフォーム・エクステリアなど住宅に関するお仕事はなんでもやっております。 古民家再生・店舗設計施工もおまかせください。 自社で大工をかかえ、墨付・刻みから大工の手で行っております。 お客様からの信用と信頼を第一に誠実な仕事を行っております。 カテゴリ
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2023年 07月 06日
先日施工した古い瓦屋根の修理の現場。
雪解け時期や雨が強い日に雨だれが一か所に集中するという症状が出ていました。 現場で確認すると長年の劣化もあり、垂木の一部が折れて屋根形状が歪になっていました。 そこで屋根瓦をそのままに下地の垂木を補強して瓦屋根を修繕する工事を行う事になりました。 古い瓦屋根。 とても良い佇まいです。 この雰囲気を壊す事なく修理するのはなかなか大変な作業です。 瓦をはがすと下地が見えてきます。 柾葺きという木の薄い板が敷き込まれています。 幸い雨漏りが起きていなかったので下地は問題ありませんでした。 柾を剥すと下地の野地板が見えてきます。 野地板にはよ~く見ると鋸目が見えています。 移動製板という機械で製材した板なので、戦前戦後の時期の板材ですね。 野地板はまだまだしっかりしていました。 野地板を剥すと垂木が見えてきます。 この古い垂木が劣化して屋根形状が変形していました。 すぐに新しい垂木を脇に背負わせて補強を行います。 新しい垂木は、唐松材の垂木を使用。 横から見るとこんな様子。 新しい垂木は真っ直ぐ、手前の古い垂木が軒先に向けて下がっていますね。 垂木が折れたり、長年の重みで曲がったりしていました。 古い垂木は杉材でした。 少し強度も弱いので、新たに補強した唐松の垂木と一緒に瓦を支えるように補強を行いました。 古い杉の垂木はこの部分で折れていました。 少しずつ木が弱り、いつかの大雪時に折れたと想像できます。 隣の唐松の垂木は強度が高く、垂木には最適な樹種ですね。 しかも岩手で採れた地元の木でもあります。 古い建物を地元の木で直していきます。 軒先の瓦が無くなり、日の光が差し込む軒裏。 垂木の補強も無事に終わり、ここからは屋根下地の復旧と瓦葺きの作業へと進みます。 野地板を張り、瓦用のルーフィングを敷きました。 ルーフィングは、水上の柾の下にしっかりと入れ込み、漏水が起きないように施工していきます。 ルーフィングの上に新しい瓦桟を取り付けます。 古い瓦をこの桟木に引掛けてからステンレス製の針金で補強を行っていきます。 瓦がこの屋根下地に乗っかるイメージですね。 1枚1枚古い瓦を戻していく作業が進みます。 古い瓦屋根がすっかり元に戻りました。 瓦を落として現代の屋根材で葺き直す方が早く楽なようにも思えますが、この佇まいは出てきませんね。 本物の素材が年月を経て醸し出す雰囲気は、どんな工業製品にも出す事はできないと思います。 今回は、古い瓦屋根の修理の様子を紹介しました。 壊れたモノ、古くなり修理が必要なモノ、新しいモノを置き換える事が簡単だと思います。 でも先人が築いてきた技術や経験が失われていく事でもあります。 古き良きものは、出来るだけ修理して使うという事も大事だと考えます。 修理を終えた瓦屋根は、とても良い表情でした。 これから何十年も屋根を守り、この良い雰囲気を維持してくれることでしょう。 そんな古い瓦屋根の修理のお話でした。
by iwaizawa
| 2023-07-06 05:26
| 現場日記~リフォーム~
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