既存アパートリノベーションプロジェクト「暮らしのノード」 完成です⑤

築35年が経過した木造アパートをフルリノベーションするプロジェクトが完成しました。
街中の好立地にある建物ながら、老朽化で入居者がほとんどいない状況だった建物を街中での暮らし・働き方を提案する事務所・共同住宅として改修する計画。
設計・監理は、NoMaDoS一級建築設計事務所様、施工は岩井沢工務所というタッグで施工しました。
景観形成・新しい暮らし方・空間デザイン・断熱改修と盛りだくさんの要素が入るリノベーション工事、そのリノベーションを地元の木材と経験豊かな大工たちが施工してきました。
完成写真5回目の今回は、外観写真です。

道路に面した東面の外観です。
元々の建物の外観の形状を残したリノベーションという事が何となく分かりますね。
外壁には、岩手県産の杉板を使っています。
杉板の表面は、製材したままのザラザラした質感をそのまま残し、防腐塗装を施しています。
建物形状は、35年前のままですが、大きく雰囲気が変わりました！

前面道路を少し南側に移動すると建物南面も見えてきます。
元々使われていなかった南側の敷地を木製塀で囲い、住戸の専用庭に組み込んでいます。
その木製塀自体も建物本体と並んで外観を形成しています。
厚みのある木の塀に囲まれたアパートがマチナカの景観を形成してくれます。

前面道路北側から見るとアパートの共用廊下側が見えてきます。
東面の木の外壁と北面の金属の外壁がコントラストを形成しています。
有機的な素材と無機質の素材がうまく調和した外観です。

この北面もほぼ新築時の形状を残しています。
変わったのは、外壁の素材と屋根や鉄部の色だけですね。
水道・電気・ガスなどのライフラインに関わる設備配管もすべて一新し、なるべく目立たないように位置を変更しています。
リノベ前と変わらない外観ですが、すっきりとシンプルに仕上がりました！


建物の外観は、形状を変えずに素材の使い方と色、そして設備の更新のみ行っています。
それだけで建物の雰囲気がガラッと変わりましたね。
無機質な素材の多いマチナカの景観のなか、ひと際目を引く外観に変化しています。
そんな建物の外観の完成形です。